即位パレード「祝賀御列の儀」で天皇、皇后両陛下がお乗りになったお車は、トヨタ「センチュリー」です。
皆さんも中継やニュースなどでご覧になられたと思いますが、とても美しいお車でしたね。
座席のシートは白の本革張りだったそうです。
また、とても美しい黒の車体は、輪島塗の「塗り」の技術も参考にされたようで、7層もの塗装で仕上げられ、神威(かむい)エターナルブラック」と名付けられています。
トヨタの<センチュリー>は、日本が世界に誇るショーファーカーです。
ショーファーとは、「お抱え運転手」という意味で、専門のドライバーが企業や政府の要人をのせて運転する高級車です。
センチュリーは、企業の社用車、官公庁の公用車、皇室御用達として、長い間日本で最も高い車として君臨しています。
日本の美を追求したボディラインは外国のショーファーカーとは一線を画して、熟練の職人の手作業によって作り出されています。
平安時代の屏障具(へいしょうぐ)の柱にあしらわれた免処理の技法「几帳面」を取り入れたサイドボディは、端正な2本のラインを角にして研ぎだされ格調高いものとなっています。輪島塗の技術を取り入れた美しい塗装と相まって、これから乗車する要人の姿を鏡のように美しく写します。
センチュリーの象徴、フロントセンターの「鳳凰」は、1か月半かけて丁寧に手でほり込まれたもので、見る人の時間を奪う芸術品となっています。
フロントグリルの奥には、円を1/4づつずらして連続模様とさせることで人間関係の円満やご縁の永遠のつながりを願った七宝文様が敷き詰められていて、センチュリーにはその精緻な七宝文様の細工を通して日本の美を伝えています。
七宝とは、極楽浄土の荘厳をつたえる様子を伝えるために使われた「金、銀、瑠璃(るり=やや紫を帯びた冴えた青色の宝玉)、玻璃(はり=青色の宝玉、水晶?)、硨磲(しゃこ=白い珊瑚・美しい貝殻)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう=エメラルド)」のことで、七宝の響きにはきらびやかな宝玉の輝きをイメージさせる力があります。
即位パレード「祝賀御列の儀」で天皇、皇后両陛下がお乗りになったこのセンチュリーは、2020年1月9日から3月17日までの間、「京都迎賓館」で一般公開される予定です。
もしご覧になられる機会がありましたら、雰囲気に圧倒されるとは思いますが気持ちを落ち着かせてゆっくり車を作り出した人達の技術と思いにも思いを馳せてみてくださいね。
ロータス京都では、お客様のお車1台1台を大切に取り扱い、お客様のお手元にお返ししております。